馬力とトルクの違い

ぶっちゃけ馬力(出力)とトルクどっちが重要?

エンジンのトルクカーブ エンジンの出力カーブ

普通に走っている場合ぶっちゃけトルクとその発生回転数さえ見てたらOKです。馬力(出力)は気にしなくていいです。

上の図だと出力が全然違いますが、実際街中で乗ってみるとトルク特性が似ているので同じように感じると思います。(サーキットなどフル回転させる場合は除く)

トルクについて

トルクとはその回転数でどれだけ加速できるかを表しています。つまり低回転でトルクが大きいほうが走り出しが軽く、高速道路でも回転数を低い状態で山道を上ることができます。

出力について

出力はトルクx回転数で求まります。エンジンで例えると1回の爆発力がトルク、それが1分間どれくらい総トルクが出たかが出力です。トルクの方が加速力の違いとして体感しやすいんですが、出力が高いほど最高速度が上がるという感じです。とはいえトルクが足りないと最高速度までたどり着かないので、結果トルクも重要です。

出力は必要ない?

実はそういうわけでもなく、簡単に言うと低回転トルクが高いと静止時からの加速が優れているほか、巡行時の回転数を下げることができるので一般道や高速道路巡行にとても向いているだけです。逆に低回転トルクが無いものの出力が高い場合、初速は確かに物足りませんが速度が上がってくると加速力が増えていきます。一度走り出したら止まらないような平坦なサーキットなどでは出力は非常に重要です。

特性 メリット デメリット
低回転トルク ストップ&ゴーが多い市街地で走りやすい
高速道路で回転数を下げやすい
サーキットで走ると伸びが足りない
エンジンを回しても加速しない
高回転出力 エンジンを回すと加速力が増えていく
走り出したら止まらないサーキットで有利
初速が遅いので市街地は走りにくい
高速道路で回転数が高くなりがち

この表を見てもらうとわかると思いますが、普通に考えると低回転でのトルクが高いほうが扱いやすいのがわかると思います。なので、最近の自動車は低回転トルクを高めにして乗りやすいようにセッティングしてあるものがほとんどです。一方でスポーツ走行を目的とした自動車では低回転トルクよりも出力を高めた趣味性の高いエンジンを採用しているものもあります。

パワーユニットの特徴

マルチステージハイブリッド

パワーユニットには様々な種類がありますが種類によって特徴がありますのでまとめます。

特性 種類
超低回転トルク重視 電動モーター
低回転トルク重視 ディーゼルターボエンジン
低回転ターボガソリンエンジン
低回転スーパーチャージャーガソリンエンジン
高出力重視 高回転ターボガソリンエンジン
高回転スーパーチャージャーガソリンエンジン
セッティング次第 NAガソリンエンジン

電動モーターは停止時に最大トルクを出すことができるため、非常に協力な加速を発生させます。一方でディーゼルターボエンジンも低回転トルクが豊富です。特に重いトラックなどでは発進するときにトルクが必要となるためディーゼルエンジンが採用されています。

一方のガソリンエンジンは走りやすいように低回転トルクを豊富に出せる低回転ターボエンジンが主流です。ダウンサイジングターボという波がまさにそれですね。大排気量エンジン並みのトルクを小排気量で発生させるというものです。

ガソリンエンジンでもターボを装着しない自然吸気型(NA)エンジンもありますが、これはセッティングによって高出力向けか低回転トルク向けかを作ることができます。詳しくは「エンジンの種類について」でも記載しますが、一般的ロングストロークだと低回転トルク重視、ショートストロークだと高回転出力重視となります。